日本文化

神社にいる狛犬とはどんな動物なのか?

神社には必ずと言っていいぐらい狛犬が配置されています。

狛犬は神社ごとに見た目が異なり、参拝に来る人を力強く迎えてくれるので、非常に人気があります。

ですが、狛犬について皆さんはどこまで知っているでしょうか?

どこから来たのか?

どうして口を開けているのか?

皆さんは答えることができますか?

今回はそんな狛犬のお話をしていきたいと思います。

この記事のテーマ
  • 狛犬の由来
  • 狛犬の外見の説明
  • 特徴的な狛犬がいる神社の紹介

この記事を読めば、

今まで神社のマスコットととしか認識していなかった狛犬の見方がガラッと変わると思うので、

気になる人は読んでみてください。

狛犬の由来について

まずは狛犬の役割について説明しましょう。

狛犬は邪気を払い、神社を守護するのが役割だと言われています。

ではどうして、狛犬はそのような役割を持っているのでしょうか?

起源から遡ってみましょう。

狛犬はどこから来たの?

狛犬は日本発祥ではなく、元々は外国からやってきたとされています。

諸説ありますが、

エジプトorインドから始まり、

そこから中国、朝鮮(その時は高句麗)を経て、日本へやってきたと言われています。

狛犬の名前は高句麗を経て日本に来たため、「外来の犬」という意味を込めて高麗犬(こまいぬ)となりました。

そこから更に読み方が変化していき、今の狛犬という名前になったようです。

狛犬は最初は神社にいなかった?

狛犬は日本に来た時、すぐに神社に配置されたわけではありません。

最初は天皇がいる宮中で使っている、几帳(きちょう)や御帳(みちょう)を抑える重りとして使用されていました。

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もちろん、重りに使っていた時の大きさは今のよりも小さいよ!

几帳、御帳というのは布製の間仕切りの事です。大河ドラマ等で、偉い人が寝る時に周囲に立ててるテントのようなモノをイメージしてください。

それがのちに"神聖なものをお守りする"という意味から、

神社やお寺でも置かれるようになりました。

狛犬はエジプトのスフィンクスがモデル?

先程は狛犬の発祥はエジプトorインドと言いましたが、エジプト説が有力視されています。

なぜならエジプトには王家のお墓であるピラミッドがあり、その守護者としてスフィンクスがいます。

この狛犬も神社という神聖な場所を守護する役目があり、役割が似ているという事から、

エジプトが発祥では無いか?」という説が唱えられています。

狛犬の外見

狛犬の外見を語る上で外せないポイントが2つあります。

それは口の形雌雄です。

阿吽の口の形

狛犬の口の形を見て欲しいのですが、

向かって右側は口を開けての形、左側は口を閉じての形をしています。

この阿吽の口は狛犬の特徴の一つなので、是非覚えておきましょう。

阿吽とはインドのサンスクリッド語の言葉で、宇宙の始まりと終わりを表している言葉と言われています。

ちなみにお寺の山門に配置されている、金剛力士像も同じ阿吽の形をしていることがわかります。

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ここを見ても、狛犬は仏教の影響を受けていることがわかりますね。

狛犬に雄雌はあるの?

狛犬に雄雌はあるのか?」という質問はよく聞きますが、それはわかりません。

わからないというよりは色んな説があるので、どれが本当かわからないというのが正しいです。

僕が聞いたことがあるのは、阿の口をしている方は弱いから吠えているので雌

だから吽の方は雄という説です。

しかし中には「守護する動物だから両方とも雄だろう」という説もあるので、

これは各自が思い思いに想像するのがいいのかなと思います。

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そういう不確定なものを想像するのも楽しいですからね。

狛犬がいない神社、狛犬がいるお寺

狛犬がいない神社

神社を守護する役目のある狛犬ですが、必ず神社に配置されているわけではありません。

狛犬が配置されていない神社で最も代表的な神社は伊勢神宮ですね。

なぜ伊勢神宮には狛犬が無いのでしょうか?

理由は簡単です。

伊勢神宮は狛犬が日本に来る前に伝わったからです。

この説明で言うと「神社によっては狛犬がいないのではないか?」と思うかもしれませんが、その通りです。

狛犬が日本に伝わる前に作られた古い神社には、狛犬がいません。

お寺にも狛犬はいるの?

狛犬は神社だけにいると思っている方もいるかもしれませんが、狛犬がいるお寺も存在します。

例えば東京都の高尾山の薬王院には狛犬が配置されています。

これは江戸時代まで続いていた、日本の神様と外国から来た仏教は一緒である、

という考えの神仏習合に由来されているからですね。

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お寺に行ったら狛犬を探してみるのも面白いかも。

狛犬の代わりに神社を守る動物たち

神社によっては狛犬の代わりに、他の動物が神社を守護している事もあります。

最も見かけることが多いのは稲荷神社の狛犬ならぬ狛狐ですね。

稲荷神社は狐が神社を守っています。

後は東京の赤坂にある日枝神社はが配置されていますし、奈良県の春日大社は鹿が配置されています。

このようにその神社にゆかりのある動物が、狛犬の代わりに配置されている事は珍しいことではありません。

狐や鹿は厳密に言うと御祭神の眷属にあたるので、狛犬と同じ守護するという意味とは厳密には違います。

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ややこしい・・・。

狛犬が特徴的な神社を紹介

ここからは狛犬が特徴的な神社を幾つか紹介します。

当然ですが神社が作られた当時は機械で作ったわけではなく、手作業で作成されています。

なので神社ごとに個性があるので、それを楽しむのも神社参拝の楽しみの一つです。

小幡八幡宮(おばたはちまんぐう)

群馬県の小幡八幡宮にいる狛犬は、とても愛嬌があるので人気です。

狛犬は守護獣なので基本的に勇ましい顔つきが多いんですが、

なぜかここの狛犬は笑っているというか、ムスッとしているというか、

非常に愛くるしい姿をしています。

ツイッターでもちゃん付けしているので、アイドル的な存在なんでしょう。

盛岡天満宮(もりおかてんまんぐう)

岩手県の盛岡天満宮の狛犬は、犬と呼んでいいのかわからないぐらいシンプルな見た目をしています。

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どことなく猿に近い・・・。

御朱印にも狛犬のスタンプがあるように、非常に愛されているのがわかりますね。

機会があれば行ってみたいです。

陰陽神社(おんみょうじんじゃ)

茨城県の陰陽神社も奇妙な姿をしています。

首が長くこれまた犬とは言い難い、、、

というのも、厳密にはこの狛犬は犬ではなく中国の空想上の動物である貔貅(ひきゅう)というそうです。

山の中にある神社なので、行くのはちょっと体力がいりますが一目見てみる価値はありそうですね。

金比羅神社(こんぴらじんじゃ)

最後は京都にある金比羅神社の狛犬ならぬ狛猫です。

なぜ猫なのかと言うと、その昔この辺りは織物の生産が盛んだったらしいのですが、

その天敵であるネズミも大量に発生していたようです。

その為ネズミ退治の専門家である猫が非常に重宝したそうで、これはその名残です。

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猫でもしっかり阿吽の口はしてますね。

まとめ

以上で狛犬の紹介を終わります。

狛犬は神社によっては色んな種類があるので、その違いを見比べるのも神社を楽しむポイントだと思っています。

神社に参拝に行った時は是非注目してみてください。

以上で本記事は終わりです。

ここまで読んでいただきありがとうございました。